偏見は偏見のまま上書きされる
認定NPO法人キャンサーネットジャパン(CNJ）の
機関誌に、「がんの偏見」についての対談記事が
掲載されていました。
（CNJが行なっているクラウドファンディングについてはコチラ）
「がん」についての情報が「怖い」に偏っている
↓
オモテに出る経験談が「辛い」「厳しい闘い」
「生存率」についてなどネガティブイメージ
↓
怖いまま上書きされる
「がんは怖い」だけではない偏見
てなことを書いている最中に、
がん治療中（『闘病中』なんて使わねーぞ）の
タレントさんのブログに中傷コメントを書き込んだ
女性が書類送検、とのニュースが。
この女性の証言（言い訳？）によると、
「こんな元気な舌がん患者がいるわけがない」
などという書き込みが多くされている掲示板が
存在するそうです。
件の女性はタレントさんのブログの方に
コメントとして書きこんでしまったから
表面化して書類送検に至ったのであり、
同様の、あるいはもっとひどい表現が
表に出ない状態で書きこまれているのだろうと
容易に想像できます。
そこには「がん患者は元気なはずがない」
もっと言えば
「がんの治療は苦しくてしんどいので元気なはずがない」
というような、「がんイコール死」と同様の、
短絡的で一面的な思い込みが、澱みとなって
積み重なっているのではないかと思うと
ちょっとぞっとします。
「ワンダフル・キャンサー・ライフ」
冒頭に書いたCNJ機関誌の対談記事は、
「がんになる」ことは「新たな体験」であり、
それによって「より豊かな人生が送れる」ということで、
がんになった人に拍手をするという米国のがん事情を
紹介したあと、「ワンダフル・キャンサー・ライフ」という
ステキな言葉で締めくくられています。
表に出ない場所でがんや患者に関する偏見が澱み滞り、
がん患者が「元気」でいることすら責められるような
風潮が存在するのならば、
表でワンダフル・キャンサー・ライフを広め、積み重ねて
それを上書きしていければと思います。
だからって、「無理に」元気やワンダフルを装う必要はなく、
がんという病気が人それぞれであるように、
人それぞれが自分の自然体で、楽しい時は楽しいと、
しんどい時はしんどいと、誰に遠慮することなく言える、
何より自分で受け入れることができる、
それこそが「ワンダフル・キャンサー・ライフ」だと
私は思うのです。
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