伝えたいことを伝わる言葉で話す

先週、ＴＢＳの安住アナの番組に、古舘伊知郎氏が
出演しておられました。

古舘実況との出会い

高校の放送部時代、一つ下の後輩女子に
古舘伊知郎というアナウンサーのプロレス実況がすごい、
ぜひ一度見てくださいと言われ、
今ほど筋肉に興味があるわけではなく、
むろんプロレスにも興味はなかったのですが、
とりあえず見てみました。

いやぁ、何というか、放送部員の高校生ごときには
別次元にも思えるくらいに凄い（あえて漢字表記）
絶叫調で早口なのに、言語明瞭、滑舌流暢。
名人芸！職人技！！
選手や状況を形容するために選ぶ言葉は、
刃のように鋭くかつ美しく、的を射ている。
そして何より、それらがすべて
プロレスなんぞわからない高校生に
きちんと伝わってくる。

アナウンスという職人技

安住アナは、私よりかなり年下ですが、
自分たち世代のアナウンサーで
古舘さんに影響を受けていない者はいない、
と言いきっておられました。

確かにこの後、スポーツや格闘技、チャレンジ系のＴＶ番組等で、
無駄な絶叫調の実況や、とってつけたような美辞麗句を
耳にすることが一般的になっていきますが、
滑舌どころか、言葉の意味すら不明瞭だったり、
自分が興奮しすぎて何言ってるのかわからなくなってる
アナウンサー（でない場合もあるけど）が多いです。

ひさしぶりに本家本元を聞いてみると、
彼らはコピーですらあり得ないという
辛口の評価をしてしまいます。

技は磨き続けるもの

ただし、安住アナについては、古舘氏のトークライブで
演じられた（・・・でいいのかな？）「ドリンク売り」※の
３分３２秒だったかの暗記＆実演がすばらしかったです！
ＭＣ術ばかりを磨いて（それも大事だけど）、
アナウンス技術が荒れているフリーアナウンサーたちに
聞いてほしいと思ったくらいです。
それでも、流れたのは１分前後だったけど、
本家本元古舘氏の往時のビデオの方が
断然凄かったのです。

※アナウンサー必須の早口言葉『外郎売』を
　外郎がもともと薬であったことから、
　現代の栄養ドリンクに変えて
　古舘氏がトークライブで上演したもの・・・
　う～ん、伝わる言葉にできない(>_<)

番組内では、とにかく自分の考えをそのまま言葉にして、
話す、しゃべるという行為が楽しくて仕方ない、という感じで、
それはそれで微笑ましかったのですが、
報道番組のキャスターってそんなに制限があったのかと
勘ぐってしまいました(^_^;)

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