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能・狂言・落語会

夏の陣大阪城本丸薪能鑑賞その2

前の記事で、お舞台に注連縄が張られていることについて
「翁」という曲が「神事」だからという風なことを書きましたが、
そもそも能舞台という空間自体が、三間四方の異世界で、
そこにいる人たちは、日常とは異なる世界にいると考えてよいと思います。
能楽に限らず、舞台芸術の世界では、程度の差はあれ、
舞台上は特別な空間であるという考え方は存在しています。

目の前だけど別世界

それはともかくとして、「翁」の演じられている空間は
すぐそこに見えているのに、空気が違う、
境界がはっきりと感じられるようでした。
今回、私の席は脇正と言われる舞台横の席で、
一番端だったので、橋掛かりがすぐ横でした。
目の前には「シテ柱」と言われる、橋掛かりから舞台に入る
角にある柱があり、その横にはかがり火、
シテ柱の脇には三番三を舞う茂山逸平さんが
座っておられました。

ちょっと横道

また話がそれますが、今回の薪能で、初日を選んだのは、
曲目が「翁」である他に、狂言方が茂山家であったことも理由の一つでした。
そして、能狂言の「歩き」に関心を持って観るようになってから、
身体のバランスが理想的だと私が思うのが、逸平さんなので、
今回の三番三はとても楽しみだったのです。
しかも、後見としてお父さまの七五三さんと叔父さまの千三郎さんまで、
ずっと舞台上にいらっしゃる!!(落ち着け)

閑話休題

で、シテ柱横の逸平さんに戻ります。
前述の通り、すぐ横にかがり火があり、
風向きのせいで煙はもちろん、炎も届くのではと
思われる場所です。
(能マンガ『花よりも花の如く』の中の『能は拷問芸能』という
 言葉が浮かびました
そんな中、静かに目を閉じて、出の時を待つ逸平さんは、
観客どころか、かがり火とも異世界におられるようでした。

そうして張り詰めた空気の中、粛々と進んでいく「翁」。
空間がどんどん研ぎ澄まされていくようです。
ちなみに翁を演じるのは観世流宗家の観世清和氏。
この方がいらっしゃる、作り出す場もまた別世界です。
翁の退場とともに、囃子方に大鼓が加わって、
静から動へ。
空気を切り裂くように、空に向かって大鼓が響き、
立ちあがった逸平さんの舞が始まります。

「翁」は特別

「能を観るのは想像力が必要」と以前に書いたことがありますが、
「翁」の場合は目の前の空間で行われていることを
ただ見て、感じて、そこにいる、というのが
適切な見方なのではないかと思いました。

やっぱり続く(笑)

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