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能・狂言・落語会

花冷えの篠山春日能

2週続けて伝統芸能(*^^)v
土曜日は、兵庫県篠山市の春日神社で開催の
篠山春日能を観に行ってきました。
毎年4月の第2土曜日に開催され、今回で第42回とのこと。

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今年の演目(番組)は下記です。

  能 采女(うねめ)
  狂言 仏師(ぶっし)
  能 須磨源氏(須磨源氏)

能装束の美

能を自発的に観るようになって、5年が経ちますが、
やっぱり難解だなあと思う時があり、
睡魔に負けてしまうことも・・・(汗)
そんな中でやっぱりお装束には見入ってしまいますね。
「采女」の前シテは、おそらく春の野の花を織り出した唐織、
地色は見えないくらいですが、おそらく明るいオレンジ色。
勝手な想像ですが、昼の野外能の時は、
色彩の鮮やかさがはっきりとわかる装束を
使われているように思います。
後シテは透ける青紫に金の刺繍の長絹と、
オレンジと金の鱗文様の小袖。
ふわりと身に着けた長絹の袖や裾が
風にひらりひらりと舞うたび、鱗文様がちらりと見えて、
夢みたいに美しかったです。

「須磨源氏」の後シテは紺の地色の狩衣で、
抽象的な線で雲を表現したと思われる文様が、
玉虫色というか、角度によって色が変わるのですが、
舞が激しくなると、翻る袖の裏表が変化するようで、
見とれてしまいました。

伝統芸能とともに、日本古来の職人技を見た、
そんな思いです。

静かな動きの美

能、というか和の伝統芸能の歩き方は、すり足と言われます。
足を静かに前へ運び、ほんの少しだけつま先を上げて、
それを置く時に身体を載せていく、という感じでしょうか。
お舞台を観ていると、陳腐な表現ですが、
静かな足の運びの中で、足袋が生きているように見えます。
能の足袋は白、狂言の足袋はベージュがかっています。
ほんの少しの色の違いですが、狂言師の足袋は、
躍動感を感じさせます。

「須磨源氏」の前シテは老人で、ほとんど動きはありません。
ところが、片膝を立てて座ったまま、光源氏の物語を語っている時に、
回り舞台の上にいるように、少しずつ身体の角度が
変わっていくではないですか!?
立てている方の足のウラと、曲げている方の脛を少しずつ
ほとんど動いている様子すら見せずにずらしているのです!

そして、舞台に出て来たまま1時間近くほとんど動かない
ワキ方さんや、地謡の皆さん、後見さん・・・
これも、身体の使い方が身に着いているからこそです。
冷たい風の中、座り続けたみなさんがハケていかれるとき、
大きく拍手を贈らせていただきました。

ちなみに、「おおむねオカルト」である能の場合、
シテ(主役)はたいてい亡霊的なもので、
最後は供養されたり弔われたりして成仏して終わるので、
ハケる時に拍手されるとご本人は複雑な感じと
聞いたことがあり、それ以来、シテがハケる時は
拍手をしないようにしています。
(意見には個人差があります)
(「」内『花よりも花の如く』より)

桜の季節の賭けと修行

上述の通り、4月の第2土曜日に行われる篠山春日能、
桜の開花状況も、天気も毎年変わります。
晴れて気温も上がり、帽子と扇子、タオルまで必要なこともあれば、
今年のように、膝かけ、ストール、カイロの重装備の時もあります。
当日の開始時間、現地に行くまではほとんど賭け、
到着後はひたすら修行、といった感じではあります。

次回はこぼれ話的に・・・(^_-)-☆

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