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能・狂言・落語会

能舞台の上は想像力の世界

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「今日も元気だ!茂山狂言」を観てきました

〈番組〉
 船渡聟(ふなわたしむこ)
 呼声(よぶこえ)
 今際の淵(いまわのふち)

このうち、新作狂言「今際の淵」の作者である
童司さんが、最初に出てきて狂言の説明、
あらすじ等のお話をされました。
「新作狂言」と書きましたが、新作というのは
狂言の場合、明治以降(!)に作られたものを
指すそうです。

「さすがは室町以来650年の伝統芸能」by童司さん

童司さんは、100年先まで残る狂言を、との思いで
新作を書かれるとのこと、伝統芸能の担い手は、
思考のスパンが広いです。

想像力と創造力

今回、全体的に感じたことは、やはり能狂言は
想像力の芸能だということです。
能舞台には大道具、セットがありません。
(実はこれが歌舞伎との大きな違いの一つ)
すべて役者たちの表現力あるいは創造力と、
観客の想像力で、舞台上に情景が描き出されます。

「船渡聟」の場合

そういうわけで、まず「船渡聟」では、
船で川を渡る様子が、船頭の竿の動きと
乗客である聟の身体の動きで表現されます。
ちなみに、舞台上には聟が川を渡って訪ねる相手、
舅と太郎冠者がいるのですが、
三間四方の本舞台のエリアから外れているので、
いないものとされています。
これもお約束で、いないものとする想像力です。

「呼声」の場合

「呼声」は昨夏の「花形狂言2015」でも観ましたが、
今回観たのが原型です(当時の記事はコチラ)。
基本の設定は同じで、居留守を使う相手に、
外から声色を使ったり、節をつけたりして呼びかける、
その掛け合いが見どころです。
外からの呼びかけ、内から返事をする形ですが、
当然、間に壁や戸はなく、双方が扇を使って、
仕切っている何かがあることを表現します。
そして、扇で表現しているからこそ、
最後の場面が生きてくる、そんな曲です。

「今際の淵」の場合

出演者は身投げを考える二人の男です。
文字通り、舞台の下、客席との間に「淵」があります。
覗き込む様子、身を投げようとして踏みとどまる様子で、
たいそう深いことが想像できます。
ほとんどすべて、この淵のふちで演じられるので、
舞台の後ろ半分いらないんじゃないかと思えます。
それがまた、切迫しているようでしていない、
二人の状況を想像させて、面白みを誘います。
今回の会場はホールでしたが、能舞台で観る方が、
魅力が増すのではと思える曲でした。

一応(?)歩きと所作のハナシ

「船渡聟」の後半で、舅家に仕えている太郎冠者が、
訪ねてきた聟と主(狂言では『頼うだお方』という)である舅の間を
行き来する時に、主と話す時は正座し、そこから立ち上がり、
歩いて聟のところに向かい、腰をかがめて会話し、
また向きを変えて主のところにもどり、正座する、という
一連の動作が何度も繰り返されました。
すべての動きがきっちり型として成立していながら、
なおかつ流れるようにスムーズで美しく、
これを何度も見られたのが個人的には眼福でした(*^^*)

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