カテゴリー
本・テレビ・CDなど 乳がんサバイバーとして

物理学者による「がん患者のためのデータベース」構想

スキャン0002
『がんと闘った科学者の記録』 
文春文庫
戸塚洋二・著  立花隆・編

 

タイトルそのまんま、がんと闘った科学者が
残した記録をまとめた本です。
著者の戸塚洋二氏は物理学者で、
2002年のノーベル物理学賞受賞者・小柴昌俊氏の弟子で、
今年の同賞受賞者・梶田隆章氏の先輩にあたる方だそうです。
2008年7月に亡くなられていますが、生きておられれば、
ノーベル賞に一番近いと言われていたのだとか。
この本は、戸塚氏が近況を知らせたい人たちに向けてのみ綴った
膨大な量のブログを、評論家で自らもがん患者である立花隆氏が
すべて読み込んで、時間軸を整理し、
闘病と他のいくつかのテーマのみにしぼって、まとめたものです。

科学者の記録の仕方

戸塚氏は、自らの検査の数値はもちろん、
CT画像を入手してサイズ等を数値化し、
その推移をグラフにしておられたりと、
根っから文系人間には思いもつかないような
記録の残し方をしておられます。
そうする中で医学者と物理学者の
「データ」というものについての認識の違いに思い至ります。
そして「患者のためのデータベース」を構築する
必要性を強く感じるようになるのです。
患者が知りたいことは、医療者が知りたいこととは
異なります。

文中から引用すると、
◇同じ病歴を持つ他の患者さんは、私が今抱えている
 抗がん剤の副作用を経験しているのか、
 その軽減策はどうなのか。
◇今の抗がん剤が効かなくなった時、他の患者さんは
 どのようなチョイスをしたのか。
◇同じ病歴のある患者さんはあと何年くらい
 生きていたのだろうか。

別の日に、患者が記録するためのフォーマットを考えて、
ノートにして配布して、第三者機関がそれをデータ化
するということまで具体的に書いておられます。
さすがに、科学者であるご自分と同様に記録を残せる
患者さんは多くはないということはわかっておられた
ようです(^_^;)

患者による患者のためのデータの大切さ

インターネットで簡単に情報を入手できるご時世ですが、
玉石混交の情報が過剰なほどにあふれる中、
自分にとって必要な情報に、効率的にたどりつく
ことができるということは大切なことです。
また、自分のデータを記録して残そうとすることで、
客観的に自分の状態を見つめることになり、
情報を検索する時に、的確な検索ワードをチョイスする
ことができるようになる、といういい流れができます。

患者のためのデータベースは膨大なデータになるでしょう。
個人情報保護の問題もあり、データを集め、整理して
媒体に残すことは、容易ではないと思います。
「がん登録等の推進に関する法律」の中に、
データベース構築に関する項があるようですが、
おそらくこれは医療者や国が管理し、使用するもので、
患者がアクセスして情報を得るためのものでは
ないようです。
でも、その情報処理等のノウハウが、患者のために
使えるようになればいいなと、文系人間(しつこい)は
思うのでありました。

——————————————————————————————–

☆☆月イチゆる楽バレエストレッチ@エクラ☆☆
   1月10日(日)14:30~15:40

☆☆大人から楽しむバレエ☆☆
毎火曜日 11:00~12:15@三木市緑が丘
毎木曜日 11:25~12:40@西神中央
体験、見学随時受付中!

☆☆バレエの「身体の使い方」を取り入れた着付け☆☆
出張着付け出張着付けレッスンの受付可能日予定表はコチラ

お申し込み、お問い合わせはお問い合わせフォームより
お願いいたします。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください