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能・狂言・落語会

舞台上の異世界が観客を巻き込む

先週12日、またまた狂言を観に行ってきました。
会場は京都の大江能楽堂です。

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茂山千五郎家による
「お豆腐の和らい2015 狂言Hybrid」

Hybridの意味は、プログラムでわかります。

1.狂言「墨塗(すみぬり)」
 これはまあ、普通(笑)
2.解体SHOW!!「太刀奪(たちうばい)」
 役者の芝居をザクザク止めながら、
 あれやこれやと質問したり、
 チャチャを入れたり!?
 ストップモーションの役者をよそに
 交わされる激論・笑論!
 (公演チラシより)
3.コール&レスポンス「蝸牛(かぎゅう)」
 謡の一部を観客全員で一緒に謡う、
 完全観客一体型公演!

解体SHOW!!

京都で劇団を主宰される土田さんの質問に
回答されるのが研究者の網本さんとおっしゃる
可愛らしい女性と、狂言師の立場で逸平さん。
その場を仕切る(はずの)司会者が茂さん、と
この4人の方が舞台上手に並んで、
講演会などで使われる(ホンマでっか!?という方がわかりやすい?)
チンと鳴るベルでストップ、スタートを合図する・・・
というのが基本形のはずでしたが・・・。
(ちなみにベルは茂さんの自腹だそう)
土田さんの現代劇の立場からの質問に、
逸平さんが「そうでしょう、おかしいでしょう」と同意したり、
網本さんが立ち座りのはずみでベルを鳴らしちゃったり、
あげくに、次の動きがやりにくい形で止めようとかで、
質問に関係ないベルが鳴ったり。
演者のみなさんは、歩きかけの前傾姿勢だったり、
同じく歩きかけで後ろの足がほぼ浮いてたり、
小道具を拾う前かがみの形だったりと、
とにかくいろんな姿勢でストップモーション。
いつもながら、狂言師のみなさんの身体能力に感心しきりでした。

コール&レスポンス狂言

「蝸牛」は前に観たことがあって、コール&レスポンス部分は、
プログラムに書いてある文字を見ただけで、
節回しがよみがえるくらい印象的です。
太郎冠者と山伏のやり取りの部分なのですが、
最終的には観客はもちろん、立腹していたはずの主人や、
舞台上にいないことになってるはずの後見さんまでが、
謡い、足を上げて拍子を取り、大盛り上がり!
あ、この時の拍子を取りながら歩く形も、
かなりのバランス感覚で、すばらしかったです。

舞台は異世界、客席は?

まずお断りとして、能舞台の場合、
客席を見所(けんしょ)と言うのですが
以下、一般名称の「客席」を使い続けます(笑)

それはともかく、上記コール&レスポンスの最後、
近くでよく響く声が聞こえると思ってふと見ると、
宗彦&逸平ご兄弟が!

10年以上前、舞台人としてよくも悪くも影響を受けた方が、
メイクと衣装を着けると非日常の者なのだから、
日常の人たちと接するのはNG、というポリシーをお持ちだったので
以前大阪城本丸薪能の記事にも書いたのと別の意味でも、
私には「舞台上は異世界」という観念があります。
そういうわけで、ついさっきまで異世界にいた方たちが、
衣装ではないとはいえ、すぐ近くに「出現」されると、
ビックリしてちょっと引きます(^_^;)
それでなくても、開演前に本やカレンダーの販売とか、
ファンクラブの勧誘とかで、演者のみなさんが客席を
歩き回り、目の前で立ち止まったりすると、
どうしたらいいのかわからなくて、固まります(笑)
でも、コール&レスポンスで「完全一体化」して
盛り上がっている客席は、いっそ舞台の一部なのだと思えば、
宗彦さん、逸平さんは「出現」したのでなく、
普通にそこにいらして当たり前と考えるのも
茂山千五郎家のお舞台についてはアリかもしれません。

10年以上前の、舞台に立つ側としての観念が、
舞台を観る側の今の自分に影響を与えていることに
気づいて、それもびっくりですが、気づかせてくれた
今回のHybridなお舞台に感謝しつつ、
次回からは、また新しい楽しみ方ができるように
なろうと思ったのでした。

長文御免m(__)mそれでもお知らせを貼る(笑)

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