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能・狂言・落語会

正面席を満喫@金剛能楽堂

今年も行ってきました「傳之會」(かしずきのかい)ビックリマーク
茂山千五郎家の正邦さん、茂さんの会です。
(昨年の記事はコチラ

《傳き》とは「大切にして育てる」という意味があります。
これまで伝えてもらった狂言を大切にして育て、
次の世代を大切に育てて行くことを目指す公演です。
(公演チラシより)

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  【番 組】
   しびり
   萩大名(はぎだいみょう)
   文山立(ふみやまだち)
   附子(ぶす)
   止動方角(しどうほうがく)

子方にメロメロ

このうち、「しびり」と「附子」は、子方さんだけの上演でした。
茂さんの長男蓮くんは昨年初舞台を踏んだばかり。
首をかしげたり、聞き耳を立てたりの動作の愛らしさは、
大人には出せない魅力ですねドキドキ
逸平さんの長男慶和くんは、長袴で登場。
以前の記事で、長袴の袴さばきについて書いたのですが、
等身が違うせいか、大人より軽やかに見えるのが不思議です。
昨年、身体や動きがしっかりしてくるのが楽しみと書いた
竜正くん、虎真くん(正邦さんの長男、次男)は、
地に足がついたというか、自在さが増したというか、
成長ぶりが目に見えて、何かもう、感情移入して、
うんうんうなずきながら見てしまいました(^_^;)

父親、師、役者

そして、「しびり」の時は茂さん、「附子」の時は正邦さんが
それぞれ後見に出ておられました。
父として、師として、そして舞台に立つ者同士として、
実にいろいろな複雑な思いでおられるのかなと
勝手に推測しつつ見ていたのですが、
一挙手一投足を厳しく追う視線の中にも、
心配そうな表情が見て取れたりして、
そちらにも感情移入してしまいそうでした。
そういえば、宗彦さんや逸平さんの後見に出ておられる
七五三翁も同じような表情をしておられたように思います。

席によって違う楽しみ

さて、今回は正面席前から5列目のど真ん中という、
大変よいお席で拝見することができました。
ここのところ、脇正面で目の前を横切る足袋の動きなど、
正面からでは見えないマニアックな角度から、
お舞台を観ることを楽しんでおりましたが、
正面は正面、やはり王道の席ですね。
上記、後見さんの顔の表情まで見えることもその一つ。
そして、今回何より、台詞や謡といった「言葉」が
ダイレクトに投げかけられたような感覚がありました。
役者さんたちの気合というか、気迫というか、
それこそ「氣」というものが、質量をもってやってくる感じ。
これは脇正面からでは感じ取れないものです。
というよりも、それを感じないからこそ、冷静に
足の動きだのお装束の細かい部分だのを
見ていられたのかもしれません。
9月のお舞台では、中正面という、舞台左の柱の前の席です。
柱で見にくいかもしれませんが、ここはここで、
別の楽しみ方が見つかりそうな気がします。

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舞台を作る、創る、造る

おとなり加西市で5月4日に開催された
第1回加西薪能を観に行きました。

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風に立つお舞台

前日は暴風警報が出るほどの雨風で、
当日も火入れか危ぶまれるほどの激しい風の中、
昨年の「播磨国風土記1300年祭」から引き続き
この薪能のプロデュースに関わっておられるという、
笛方の藤田六郎兵衛氏のごあいさつから始まりました。

この日のためにしつらえられた特設舞台は、
四隅の柱として使われている竹をはじめ、
橋掛かりの松も、篝火の薪の材も、
すべて市内から集められたもので、
火入れ式のための火は近くの神社で点火され、
大切に運ばれてきたものだそうです。
そして舞台は、鏡板も、本舞台もすべてが
黒一色に覆われています。
藤田氏は火入れが終わり、日が落ちてからの
お楽しみとおっしゃって、おそらく篝火との対比を
考慮してのことかと何となく想像しながら
開演を迎えました。

【番組】
  狂言「靭猿(うつぼざる)」
  能「羽衣―和合之舞―(はごろも―わごうのまい―)」

能、狂言ともにザ・王道です。

日暮れの「靭猿」

七五三翁、逸平さん、慶和くんの
茂山七五三家三世代と、忘れちゃいけない
秋に千五郎襲名の正邦さん共演の「靭猿」。
後半、お猿さんと大名(孫とおじいちゃま)が
舞っている途中から、日が落ちて暗くなっていく舞台を、
篝火の光が照らし出すとともに、舞う2人の姿が
黒い床の上にくっきりと映り始めます。

篝火と「羽衣」

これもまた後半、羽衣を身にまとって舞う
天人の姿がくっきりと舞台に映ります。
そして、おそらく金糸銀糸は使われているものの、
全体的にやわらかい色の刺繍で仕上げられた
白地の羽衣が、黒の舞台に浮かび上がり、
篝火の火を映して光り輝き、
それがますます舞台に映る舞姿を際立たせます。
以前能楽堂で「羽衣」を観た時には、
羽衣(ややこしいな)は綺麗な紅い色で、
木の板の色そのままの舞台の色調に
美しく映えていました。

お舞台とお装束

確認したことはないのですが、曲目はもちろん、
その日の舞台が屋内か屋外か、あるいは時間は昼か夜か、
そんなことも考え合わせて、お装束を選んで
おられるのだろうと推測しています。
そして今回は、舞台が黒一色である旨も
プロデュースの藤田氏から舞台に立つ方たちに
伝えられていたのかもしれません。
多くの人が同じ一つのものを作り上げていく、
その過程の提案、議論、決定の情景に
思いを馳せると、やっぱり舞台っていいなあと
思うのでした。

余談その1

能舞台に立つ方たち、特に面(おもて)をかける役者さんは、
視界が狭くて足元がほぼ見えないので、
舞台の板の木目を目安に歩を進めると聞いたことがあります。
今回の黒一色の舞台を目にした時、
その感覚に支障が出るのではと
少々心配をしてしまいましたが、
素人の浅はかさでした(^_^;)
多少の変化はあれ、舞台の大きさは同じです。
日ごろのお稽古やお舞台の経験から、
歩幅や歩数、出す足、引く足など、
すべての感覚が身体に染みついているのでしょう。
猿の面をつけた7歳の狂言師、茂山慶和くんも、
ためらうことなく、這い回り、歩き、舞っていました。

余談その2

それにしても、あの黒の舞台の造りが気になります。
洋舞の時に舞台に敷くリノリウムマットには
黒や濃い色はありますが、あんなに影は映らないし、
リノリウムマットの既成品なら、サイズの問題で継ぎ目があって、
テープで貼るはずなのにそれがありませんでした。
そしてリノリウムを敷くのは、板のままだとシューズが滑るからなので、
逆に足袋の足にはリノのマットは合わないはずなのです。
う~ん、材質と工程が気になる・・・

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長袴の人びと

茂山家の「春狂言」を観てきました。

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【番 組】
 お話 茂山宗彦
 ラーメン忠臣蔵
 居杭(いぐい)
 濯ぎ川(すすぎがわ)
(2回公演の夕方からの部です)

新作「ラーメン忠臣蔵」は本家(?)「忠臣蔵」に
なぞらえた部分はマニアとして(笑)楽しく拝見しましたが、
最初のお話で宗彦さんおっしゃったところの
「リズムネタ」部分が、耳について離れないのに困りました
まんまと術中にはまった感じです(^_^;)
で、このリズムネタは足踏みをしつつ、
前に行ったり後ろに下がったりするのですが、
普通に裾をしぼった袴の逸平さん、茂さんはともかく、
長袴のあきらさんと丸石さんまでが同じ動きを

長袴

注:長袴↑こんなん
七五三さまカッコイイ

今までも、長袴の裾さばきを感心しつつ眺めたことは
あったのですが、今回は感心を通り越して感動です
だって普通、後ろに下がる時踏むよ?
下手したらコケるよ

そのせいで次の「居杭」でも長袴の正邦さんと千五郎翁に
注目してしまいました。
(この曲の注目ポイントは、正邦さんの長男竜正くんを
 含めた千五郎家三代共演にあったのですが・・・)
まあ正邦さんのよく動かれること。
そして、当たり前だけど、動きについていく袴の裾が
生きているようです(足袋も『生きているみたい』って言ってたな、自分)。
長袴だと足袋の動きが見えないなんて思ったことも
ありましたが、袴の動きの美しさに、また楽しみが増えた気分です(*^^*)

ちょっと余談

ところで、「居杭」の千五郎翁の役は占い師です。
「陰陽師」というのは今でいう公務員の役職で、
私的に陰陽道で身を立てている人は、
そう名乗ってはいけなかったようです。
この占い師のいでたちが、頭巾に顔を覆う長いひげと、
非常にうさんくささ120%です。
今月初めの「春爛漫 茂山狂言会」の「長光」で
「すっぱ」という詐欺師役の七五三翁が
同様のうさんくさいいでたちをなさっていましたが、
この時は裾をしぼった袴でした。
公務員でないとはいえ、一応陰陽道の専門職だからか、
年長の千五郎翁が演じられたからか、
それとも他の理由なのかわかりませんが、
お装束のちょっとした違いで、身分や役割にとどまらない、
さまざまな情報が示されている、
ある意味合理的な表現に感心したのでした。
(封建時代の遺物と言ってしまえばそれまでなんだけど

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篠山春日能・特等席見つけた?

今年も行ってきました、篠山春日能
旅日記が長引いたために、狂言会記事の次に
なってしまいましたが、実際は1週間空いていますよ(^_^;)

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前々日の雨が花散らしになるかと思いましたが、
まだまだ木に残る花もあり、散る花びらありと、
ある意味ぜいたくな見ごろだったかも

ここで番組
  能  杜若(かきつばた)
 狂言  昆布売(こぶうり)
  能  春日龍神(かすがりゅうじん)

能は2曲とも好きな曲で、お狂言は茂山家と、
私にとってはベストな布陣(?)です
「杜若」の時には、舞う杜若の精に、
花吹雪が降りかかる場面も。

寒すぎもせず、かと言って暑すぎもせずの、
過ごしやすい気候の中、開場待ちをし、
入場して席確保の後、ゆっくりコーヒーを飲んで、
街歩きでは自分へのお土産に黒豆コーヒーをゲット、
ちょうどいい量で早めの昼食後、車に戻る途中に
茂山七五三師に遭遇する幸運
開演前までは、今年は修行系ではなさそうと
楽観していました。

実は修行を求めていたか?

雲行きがあやしくなってきたのは開演前。
後ろの妙齢女性の集団(!)に、
見えないから帽子を取ってほしいと言われて、
隣の女性も帽子をかぶっていたのに、
私だけ言われるのは、デカイからジャマと
言う意味だなとちょっとイラッ
そして開演―。
直前に着席した前の男性の体格がよすぎて、
お舞台の半分が見えません。
隣の親子連れの子供が母親に質問するのは
よしとして、母親が答える時にいちいち
「シッ」と言うのが耳につきます。
何より、ベストと決めたはずの席から、
それでも半分だけ見えているお舞台の、
足元がまったく見えない(T_T)
これでは「私には」意味がないのです。

とっとと見切りをつけたので

「杜若」終了後、お狂言が始まるまでの少しの間に、
客席後方、神社西側の岩の斜面に移動しました。
自席からは禁止されている舞台の写真を撮る人や、
見やすい席が確保できなかった人がいる場所・・・
と今までは思っていたのですが、これが何と、
なかなかの特等席ではないですか
舞台全体が見渡せるのはもちろん、
楽屋にあたる場所の障子の開閉も見えます。
そして移った甲斐あって、演者の足元、足袋の動きが
手に取るように見えます(*^^)v
ただし、岩の上なので座り方が不安定になります。
ハンドタオルを敷いていましたが、
苔が少し湿っぽいのも気にはなります。
やっぱ今年も修行系かと思いつつ、
来年はビニールシート持参だなとも
考えている自分がいたのでした。

う~ん、ますます人が誘えなくなる・・・
それも修行のうちか!?

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旅に出ていました・その四―お舞台に寄り道―

旅の最終日、同行のみなさんより早めに宿を出て、
帰途に着きました。

なぜか

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それは、兵庫県立芸術文化センターに、
「春爛漫 茂山狂言会」を観に行くためです

【番組】
 墨塗(すみぬり)
 文蔵(ぶんぞう)
 長光(ながみつ)

当代三兄弟(千五郎・七五三・千三郎)+あきら―
熟年世代が揃いぶみ!

とチラシに書いてあった通り、オジサマ方(失礼!)
大活躍の会でした。
何かもう、お茶目さんなんだから
と言いたくなるようなかわいらしさ(重ね重ね失礼!)と
存在感、そして軽やかさを感じさせる演技と動き。
以前に子方さんたちと大人の動きの違いについて
書いたことがありますが(記事はコチラ)、
「熟年世代」と「若手」の動きも、年齢や役柄云々ではない
何かの違いがあるように思います。
経験、と言ってしまえばそれまでなんだけど、
能舞台のお宿での「歩き」について考えた後でもあり、
舞台上のことだけでなく、年齢を重ねてにつれて、
人の身体や使い方はまだまだ変わる可能性を
持っているんじゃないかと思えたのでした。

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