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本・テレビ・CDなど 乳がんサバイバーとして

苦しくなきゃダメですか?―ガンを扱うドラマに思う―

今年も24時間テレビが終わりました。
V6は好きだけど、メインパーソナリティが総勢15人って、
もう何が何やら・・・(^_^;)

—-以下、「意見には個人差があります」—-

去年、番組内のドラマに関連して、アメブロに
「死ななきゃダメですか?」というタイトルの記事を書きました。
ドラマや映画のガン患者が、最後には必ず死んでしまうのは、
「ガン=死に至る病」というイメージをいたずらに
強固にしてしまうだけではないのか、という風な記事です。
折に触れ、この件については考え続けていますが、
今年はもう一つ付け加えたくなりました。

「苦しくなきゃダメですか?」

ドラマのガン患者は、前向きに治療に取り組みつつ、
時に薬の副作用や激しい痛みに苦しみ、周囲はそれを支え、
最後には死んでいく、というのがまあ、定番の展開かなと思います。
(見てませんが^^;)
「ガンになると死ぬ」に加え、「ガン治療はつらく苦しい」となると、
そりゃあ、ガンになるのが怖くなります。
見つけられたくないから、検診を受けるのも二の足踏むでしょう。

ガンはいろいろ、治療もいろいろ

上記の展開に加えて、定番になっているのが、
化学療法の副作用で脱毛して、帽子かバンダナ着用、
というシーンですね。
私は化学療法、いわゆる抗ガン剤治療を受けていません。
それは、大ざっぱに言ってしまえば軽症だったためです。
放射線治療の副作用もほぼなかったので、
「しんどくないことが申し訳ない」という思いを持ったこともあります。
私の場合と違い、特殊なガンで、抗ガン剤治療の適用にならなかったために、
治療を受けていない知人もいます。
「特殊」と言ってしまうと、これまた「怖い」病気、という
イメージになってしまいますが、あくまでも、ガンの性質のことで、
悪性度とはまた別の話です。
現に、その知人は私と同じように普通に生活しています。

ガンという病気自体も、治療法も、そして予後も、
患者の数だけあると言っていいくらい多種多様です。

ドラマティックより現況優先で

しんどい治療をして、最後は死ぬ、というイメージが定着することで、
誰にどんなメリットがあるでしょうか?

ドラマを見た「健康な」人たちは、「ガンは怖い」「なりたくない」
「なってしまった人はかわいそう」というイメージを植え付けられます。

現在治療中の患者さんは、治療に消極的になるかもしれません。
そしてサバイバーも含め、「かわいそうな人」とひとくくりになります。

真摯に患者と向き合う医療者は、無力感に襲われるかもしれません。

医療が日々進歩している今、現況に即した展開のドラマも
たまにあってもいいんじゃないかなと思います。
まあ、涙と感動にはならないだろうな・・・

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